Top Contents Landscape Plan image Garden scene Jinen's garden Rink
工房ジネン 目次 景観/造園設計 プラン画集 庭の写真集 ジネンの庭 園芸関連リンク


ジネンの庭

ささやかな庭 季節の一鉢 庭の情景
デメリットだらけの庭 木や草花の寄せ植え ジネンの庭写真集


放任、野放し、とまさに作り手の性丸出しと言った感じの我が家の庭ですが
それでも毎年健気にも草や木々は生長し、花をつけてくれます。

雪を持ち上げるスノードロップの蕾に春の訪れを、ガマズミの芽吹きに爛漫の春を

丸い鞠のような白い花房には近づく夏を、カエデの葉の色の変化に秋の深まりを、そして水鉢に張る氷に冬を

わずかなスペースに作った庭でも、季節のうつろいを感じることができます。

少しでも土があれば、そしてあなたの「緑の指」があれば、そこに「庭」はできるのです。


玄関横の水鉢と汲取り槽隠しの竹垣

南庭のボーダー花壇


ちょいと面白いので我が家の庭つくりのお話をしましょう

●最初の敵は木ヅタ

我が仕事場は古い一戸建てのアパート。

道から一軒分奥に入った袋小路(敷地)にあり、3方が高さ2メートルのブロック塀に囲まれている。

駐車スペースは軽自動車でもやっと運転手が降りられる隙間しか無く、家の南側の私用スペースは塀まで約1メートル。

その向こうには2階建ての家があり、冬はほとんど全く日が当たらない。北側の玄関前の私用スペースはプロパンの通路だ。

とにかく、敷地が狭いのである。



掃き出しの窓から1mほどのところに南境界にそびえる壁は、モルタルのパネルをコンクリートの柱で支えた古いものだ。

その2メートルを越す壁には、古株の木ヅタが這い回り、風通しが悪いせいか夏になると毛虫がうじゃうじゃわいていた。

どうも、わざわざ植えたのではなく 放って置いたらいつの間にか茂ってしまったといった感じだ。

タネがこぼれて出た子供が、家の壁にまで這い登っている。

松本の老舗レストラン「鯛萬」は古い漆喰造りの建物に木ヅタが絡まる古いながらもロマンチックなものだが、私のモルタル木造ヒビ入りの家でははまるでオバケ屋敷だ。

しっくい壁にツタが絡まるレストラン「鯛萬」



それにしても、この木ヅタを取り払ってしまうと今度は壁が落ちてくるのではないかと言うくらいモルタルのパネル壁は古いもので、いったいこのモルタルの厚さはどのくらいなんだろうと人が住んでいないことを幸いに、壁の向こうへまわって見たらほんの2センチほどしかない。

おまけになんと 壁を支える柱から、太い鉄の鎖が伸びて地面に固定してあった。オソロシヤ。

これは、私の家側に傾いたものをひっぱっているとしか思えない


見なかったことにして、とりあえずツタを刈り取ることにする。

わらび手では刃が立たず、剪定バサミとノコギリでなんとか壁からはがす。

ものすごい量のゴミが出た。

木ヅタは紅葉してきれいなので、少し残そうかと思ったが、茂る速度がものすごく速くて、タネが落ちてあちらこちらで芽を出すので思い切って株元から切り取ったが、根は掘れず、ここからどんどん新芽が出てくる。

これは出たら切る の繰り返しでしのぐことにする。

家の軒先から、問題の壁まで1メートルしかないこの場所では、放って置くと木ヅタは独裁者になってしまう。




●とりあえず、緑を植えよう

木ヅタを取り払って、南のスペースは随分明るくなった。

敷地の西の角に物置があるので、荷物を持って歩ける程度の通路は確保しよう。

通路に敷くのは偽石(ぎせき)の、コンクリートブロック。展示会の時の出店業者の払い下げで、半端な在庫品だ。

壁に沿った幅20センチほどのスペースを花壇にする。敷地の端から端まで花壇にすれば、長さだけは充分にある。

インターの下は簡単な砂利基礎だけなので、20センチの花壇でも根は充分に張れる計算だ。


色・質感 共に素晴らしい。通路に敷いたお気に入りの偽石インター





南側に植えたツツジ


真夏以外は殆ど日が当たらないであろう、まさに壁の真北の花壇なので植える植物は耐陰性のある羊歯、雑木の子供、山野草とコケ。

まったく花が無いのも寂しいので、初夏に白のインパチェンスを数株植えてみた。





●庭、解体される

突貫工事ながら、窓の外にわずかながらの「庭」ができて2年が過ぎた。

夏は直射日光を避けるためにヨシズをさしかけたり、今までは必要の無かった水遣りの手間が増えたりと面倒なことも増えた日々だったが、それなりに満足していたある日のこと。

南境界の、今まで無人だった建物の立つ敷地が買い取られ、塀を取り壊して造成しなおすことになった。

塀はお隣の持ち物である。

どうしようもないことだったが、やっと羊歯が茂るようになり、苔も敷いたブロックになじんできたところで、…「そんな…」というのが実感だった。

ま、仕方が無い。

そんなわけで11月の寒空に、やっと根付いたものたちをせっせとありったけの鉢に移植。

そして工事が始まった。



しかし窓の外5、60センチのところをバックホーのバケットが動くと言うのは私も始めての体験で、現場でも味わえない(こんなところにいたら怒鳴りつけられる)ナントカパークのような臨場感をしばし、楽しんだ。

バックのオペさんはなかなかの腕前で、バケットの爪で上手にパネルと柱をひっかけ、手際よく塀の南側へ落としてゆく。

へたくそでは私の家が解体されてしまうのでひと安心。

危険なところは人力でモルタルのパネルを抜いたり、叩き壊してゆく。

南側というのはこんなに明るかったのか と言うくらいまぶしい光が目をさした。





●庭作り ふたたび

掃き出し窓から見る南側境界



塀の解体工事が終わり、ここに新しくコンクリートの擁壁ができることとなった。

擁壁の上にはアルミのフェンスが立てられ、塀の高さは古い塀とほぼ同じものになる。

仕方のないことだし、業者の立場もわかっているはずの私だったがやはり長く続く騒音と砂埃には参った。

一番切なかったのは、いままで日が当たらなかった南側にぽかぽかと冬の日がさしているのに洗濯物が干せないこと(笑)!

擁壁ができるまで、庭作りの再開はお休みだ。

ついでなので長い冬の間に、庭作りの計画をまるごと練り直すことにした。




●庭作り ふたたび(2)

擁壁が打ちあがり、フェンスも立った。冬の間にできることをしておこう。


写真に撮ると広く見えるなあ。

一列だけ残された偽石ブロックは、擁壁を打つ時にこの外側まで掘った証拠だ。

実際は軒下(かっこよく言うと雨落ち)からこのラインまで、40センチほどしかない。

だから花壇の出幅はやっぱり、20センチ。

このころ、ちょうど紆余曲折を経て開業予定が立った(と言うよりもその他に道が無かった)ところだったので、壁もきれいに(!)なったことなので見た目良く、竹垣をラフに組んでのっぺりしたコンクリートの壁と花壇をつなげることにする。

竹垣は地中に埋めた基礎ブロックに固定したアンカーに柱になる竹を止めつけた、自立式。

境界の壁が向こうの持ち物である以上、いじったらだめなのだ(ちなみに境界は、壁の北の面つら)。

家の軒に沿って竹を横に固定し、ここからさらに竹を壁の方に斜め下に伸ばして自立した竹垣に固定、がっちりと安定した竹垣になる。

おまけに夏にはヨシズを乗せて遮光もできる竹の屋根もできた。

普通立て子(縦の柱)には木杭を使うのだが、 植え込みのスペースがないので、オール竹。

ここまで来たら、春に通路を作りなおし、石を組んで、再び草や木たちを植え戻すのが楽しみになる。

これからはまた、木々の春の芽吹きの美しさ、初夏の雨に濡れる羊歯の葉のみずみずしさ、秋の葉色の移り変わりを窓のすぐそこに楽しむ事ができる。




ページの上へ